持ち家賃貸

こんにちは!ファイナンシャルプランナーの飯村久美です。

先日、日本テレビ「ダウンタウンDX」に出演し、タレントの塚地さんのから寄せられたお悩みについてコメントさせていただきました。

52歳独身で、マンションを購入する場合とこのまま賃貸で住み続ける場合、どちらが得か

ということでした。

相続する人はおらず、途中で売却することを考えずにシミュレーションしてみます。

「52歳独身 持ち家・賃貸 どっちがお得?」シミュレーション

番組内で紹介した事例は、東京都品川区の1LDK

  • 同等のエリア・築年数
  • 同等の広さのマンション
  • 88歳まで住む

こちらの場合の、持ち家・賃貸の比較をしていきます。

賃貸の場合

賃貸の場合、家賃は月15万円。

36年間払うと6480万円になります(家賃が変わらない場合)。

共益費や更新料、敷金礼金などの約520万円を合わせると、トータルで約7000万円になりました。

持ち家(購入)の場合

一方で購入の場合、賃貸と同等の部屋のグレードの物件価格は約8900万円になります。

それに加え、

  • 購入時の諸費用が約620万円
  • 管理費・修繕積立金、固定資産税などが36年分で2200万円くらい

トータルで1億1700万円になりました。

住宅ローンを組んで借りる場合には、ここに金利分をプラスしなければなりません。

また、リフォームなどのメンテナンス費用火災保険・地震保険なども必要になってきます。

「52歳独身 持ち家・賃貸 どっちがお得?」シミュレーション結果

もし、売却を考えず住まいにかかる総額を比較するのであれば、賃貸の方がお得な結果になりました。

背景はマンションの激しい価格上昇

今回、マンション購入と賃貸でこれほどまでに差が開いた背景には、近年のマンションの激しい価格上昇があります。

都内のマンション価格は特に上昇しています。

一方で、賃貸住宅の家賃はそれほど上がっていません。

マンション購入の価格変動

東京都新築マンションの販売価格とm2単価

出典:不動産経済研究所

東京都中古マンションの70m2換算価格とm2単価

出典:東京カンテイ

2013年のm2単価は52.4万円。2022年は90.0万円まで上昇。2020年からの3年間では上昇率が高くなっています

賃貸住宅の家賃変動

賃貸・持ち家のメリット・デメリット

もちろん、賃貸と購入の比較は、トータルの金額だけでは計れません。

それぞれにメリット・デメリットがあります。

賃貸のメリット・デメリット

賃貸のメリットとデメリットをまとめてみました。

賃貸のメリット

  • 気軽に住み替えができる
  • 固定資産税がかからない
  • 火災や地震などによる建物の保障は大家の負担
  • 住宅ローンを借りる場合、破綻リスクがない など

賃貸のデメリット

  • 自分の資産にならない
  • ずっと家賃を払い続ける必要がある
  • 一般的に、敷金礼金更新料などが必要になる
  • 自分好みの部屋に変えられない
  • 老後は住居を借りにくくなることもある(リスクと捉えるからです。) など

持ち家のメリット・デメリット

持ち家のメリットとデメリットもまとめました。

持ち家のメリット

  • 自由に内装などを変えられる
  • (ローンを完済すれば)自分の資産になる
  • (ローンを組んで団体信用生命保険に加入すると)万が一のときに遺族に家を遺せる
  • (ローン完済後は)毎月の住居費が大幅に減る など

持ち家のデメリット

  • 修繕費などの維持費や固定資産税がかかる
  • 建物の保険、家財の保険が必要
  • 住み替えにくい
  • (ローンを組む場合)大きな借金を背負う など

まとめ:それぞれのメリット・デメリットを考えてシミュレーションを

このように置かれている環境や価値観によっても、賃貸と購入、どちらが得かは異なります

購入か賃貸かを比較する際は、それぞれのメリット・デメリットを考えみましょう。

その上でシミュレーションしてみることをおすすめします。

ローンを組んで購入する場合は、安心して返せるようにライフプランを立てて無理のない資金計画を立てるようにしてください。